
2011年10月11日 by 上杉 光一 おすすめ度 ★★★★☆
永松 茂久(著)/¥1,680(KKロングセラーズ)

自分のこと「だけ」を考えると上手くいかない。
国語辞典で、感動とは「ある物事に深い感銘を受けて深く心を動かされること」、感謝とは「ありがたいと思う気持ちを表す事」となっている。
「感謝から感動」へのサービスを目指していきたいと常々考えているが、なかなかハードルが高い。そこで選んだのがこの著書だったのだが、著者は斉藤一人さんのお弟子さんというだけあって、「感動は、必ず非効率の中にある」「自分自身が安定して幸せであること」等、語られる感動の条件にはなるほどと思うことが多かった。
著書の中で語られる「フォー・ユー」の考えは、取り方によっては「人の為=偽善」と解釈されるものであるが、この「フォー・ユー」の考えは、「自分のことを考えてはいけない」のではなく、「自分のこと『だけ』考えると上手くいかなる」ということで、あくまで人も自分も幸せになるという関係があって初めて成り立つものである。自分を犠牲にしてまで誰かに尽くすという意味ではなく、できる範囲で「人の為と思ってやっていることは必ず自分に返ってくる」と思い、続けていくことが大事であると。
また、私が非常に興味深く思ったのは、人の成功には、しっかりとした目標を立てて、具体的な計画を作り、あきらめずに歩いていく「目標達成型成功」と、目の前の人、仕事を全力で大切にすることで、人に好かれ、頼まれごとが増えていくうちにどんどん道が開けていく「展開型成功」の2種類があるということだ。
著者は後者であり、PDCAをまわすことが経営の肝であると疑わなかった私はある意味衝撃を受けた。
『目の前の人、身の回りの人、誰かの為に、全力で期待以上のものを与える努力をしているだろうか?』『その前に自分が幸せを感じ、感動しているだろうか?』まずはそこから初めていかなければ。
2011年06月20日 by 上杉 光一 おすすめ度 ★★★★☆
岡田 斗司夫(著)/¥1,575((株)文藝春秋出版)

意識改革の、具体的にして効果的な手法
巷にあふれる「ノート整理術」「手帳整理術」の類の本を読んで、そのノウハウが継続したためしがない。生来整理整頓下手というのもあるが、ほとんど三日坊主、読んだ時には「仕事や時間の効率化が図れるだろう」と勇んでみるものの、続かない。しかし本書は、効率化を図る目的のものではなく、むしろムダを奨励し、発想力、表現力、論理力を併せ持った天才になるための“見識”を養うための道具として、ノートを位置づけている。
岡田氏はベストセラー「いつまでもデブと思うなよ」の著者でもあるが、そこで紹介したレコーディングダイエットのエッセンスを、本書では“5行日記”という形で使っている。その日したことを5行書き、それを0~5の6段階の楽しさで評価していくものである。ポイントは、評価はあくまでポジティブにしてマイナス評価をしないこと、自分を否定せず継続させることを第一段階とすること。継続すればダイエットと同じように無意識に太る行動、つまり無意識に楽しくない行動はしないという考えである。
私自身もこの“5行日記”を数日試してみたが、結構書けない。
仕事以外でいかに楽しい事をしていないか、いかに “感じている”だけで“考えていない”かを思い知らされた。
情報社会の現在、均質な情報があふれ、私の仕事では自分の立場ではどう判断するのかという主観的なアドバイスが求められていると思う。その主観的なアドバイスがひとりよがりや単なる知識の伝達にならないよう、日々考えを研鑽していかなければならない。今まで、インプットの蓄積ばかりで頭の中で処理した気になっている自分がいた。新たなる“見識”を養うために、まずはこの“5行日記”から始めてみようと思う。(上杉)
2011年04月28日 by 上杉 光一 おすすめ度 ★★★☆☆
鈴木 博毅(著)/¥1,365((株)日本事業出版社出版)

赤い彗星のジレンマ!!
ついつい選んでしまった。
もろガンプラ世代の私にとって非常に興味をそそられたからだ。
「勝ち残る組織の作り方」を、ガンダム名セリフ・シーンから現代のビジネスに学ぶというものであるが、とりわけ「シャア」を勝ち残れないビジネスマンの象徴としている。「シャア」のカリスマ性とクールさに憧れて、赤いプラモデルをたくさん作った私としては、何か寂しいものがあった。
「シャア」の最大の失敗は、過去の成功体験にとらわれて、変化する現実に対応できなくなったこと。努力の末積み上げた成功体験が逆に悲劇を呼んでしまうのだ。ここでは「赤い彗星のジレンマ」と呼んでいる。
このジレンマは陥っても明確な変化があるわけではなく、本人だけでなく周囲の人間もその進行を発見できず、指摘ができるとしても非常に時間がかかってしまう。バブルの成功体験によりなかなかデフレ脱却できない日本のように。
「赤い彗星のジレンマ」に陥らないようにするには、自分を客観視することだと思う。
イチローは客観視する方法として「自分にコントロールできることと、できないことをまず分け、コントロールできないことに関心を持たない」ようにしているそうだ。彼は自分を客観視して現状を正確に把握し、取捨選択しながら仕事に集中できる環境を自分で作り出して、成功を続けている。
過去の自分を否定し、現状を捨てる勇気を持つことは非常に難しい。
私自身比較的客観視できる方だと思ってはいたが、少なからず現状を捨てられず、行動できない自分がいる。
年数がたち、成功体験があればあるほど、現状を捨て新しい自分を模索することは難しくなる。経営者をサポートしていくという私の仕事は、客観視する力を求められている。いかに経営者に選択集中できる情報を与え、アドバイスしていけるか、自分自身も新しい存在意義を見つめ直したいと思う。