
さくら経営センター所長・完山剛が、阪神エリアのオンリーワンな経営者を捜して、文字通りの対談企画。
記念すべき第1回は、西宮浜で先進的な運送業をされているジェイカス株式会社の代表取締役・加賀澤一さんです。


「謙虚な強い意志」が生み出したオンリーワン。
完山ホームページを拝見したんですが、20年と少しで何度かの業務拡大と多角化をされていますよね。
普通の運送会社じゃないような気がしてるんです。
これからの運送業が手がけるべきことというか、そういう先見性を持って取り組まれてるなあと思ったんです。
加賀澤たいしたもんでもないんですけどね。
運送業界は、人間が入れ替わり立ち替わりで。せっかく1年くらい教えてもすぐ出ていくんです。
なんとか定着率をよくしたい、会社の損失ですから、辞められると。辞められたら困るとなると、どうしても甘くもなりますしね。尼崎からこちら(西宮浜)に来たんですけど、こういう明るい土地でやるんですから、今までのイメージを変えたいなと思ったわけです。
完山もう少し詳しく聞かせてください。
加賀澤カナダのバンクーバに行ったときに、物流会社のトラックを見たんです。
トラックもカラフルで、ドライバーのユニフォームもかっこいい。
これをやってみたらどうかと。もちろん、見た目だけじゃなく中身も。
完山運送業界のイメージを変えてやろうと?
加賀澤業界を変えるとか人を変えるっていうのは、すごく難しいですけど、少しずつ、あいさつから始めて、なんとかやっています。我々は商品を売っているのではなくってサービスを売っているんです。
トラックはどこでも一緒なんで、ドライバーの質なんですよ、結局。
人を売ってるんです。あんたとこの兄ちゃんはええからなっていうのが頼りなんです。

完山目に見えた変化、効果はありましたか?
加賀澤堂島ロールさんっていう取引先があるんです。そうです、あの有名な。
ロールケーキの搬送だけじゃなしに、うちはビラまきもするんですよ。
一日3便でそれぞれ待ち時間40分くらいあるんです。だったらそれを有効に使わな損やということで、ビラまきもしたんです。
あと、堂島ロールさんって行列できてるじゃないですか。うちの社員がその場の雰囲気に合う作業服を提案して、うちのカワイイ兄ちゃん(笑)がきれいな箱に入れて「堂島ロール到着しました!」っていうふうに並んでるお客さんの前に持っていって。
ちょっとした演出をしたわけです。
うちはビラまきもするし、演出もしますっていうことで、
堂島ロールの配送に関しては価格競争に巻き込まれずに、ほとんど任せてもらって。
運送業も「後方支援」という意味でもっと考えれば、もっともっといろんなやり方があると思うんですよね。

完山なかなかそんな考えを持っている運送会社ってないです。
加賀澤たまたまです。
うちの場合は、長年ドライバーやってた人よりも、何も知らない人の方がいいんですよ、たぶん。
筋肉隆々のベテランドライバーより、広告宣伝ができるとか、もともとそういう仕事をしていたとかいう方がいいんですね。証券会社にいてた、とか。そっちの観点から物流どう思う?っていう感じで。
僕らは長い間やっているからわからないんですよ。おかしいところが。
完山そういう人たちや、異なる世界の意見を受け入れる度量があるってことですよね。
加賀澤たまたまです。なんでもたまたまなんです(笑)。
運送会社からしたら非常識なんて言われますけど、もともと常識も非常識から始まってるんやから。お客さんからしたら宣伝広告費も入っているってなると安いってなりますよね。そういうことで変えていかないと。
完山こうじゃないといけないっていうのがないから、いろんなことを受け入れて、お客さんに喜んでもらえる…
加賀澤ほんまそうです。お客さんが喜んでくれたらそれでいいんですよ。
完山加賀澤社長は終始、社員が社員が…と、ご自身のことはあまり話されない…
加賀澤いや、ほんまそうなんです。社員がやってくれてるんです。
結局、お客さんや社員がこうしたい、こうして欲しい、っていうのが原動力のような気がします。
ここ(西宮浜の社屋)を買ったときも、社員が「博打打つんやったら打ってくださいよ」って言ってくれて。
完山博打打ては、すごい。それを言ってくれる社員がいること、それを言える関係にあること。
社長として幸せですね。
もちろん、社長が決断する局面で的確な決断をされてきた結果だとは思いますが。
加賀澤いやいや、そんなことないです。たまたまです(笑)。 ただ、もともと僕は一人でやってましたんで、現場のしんどさっていうのは骨身にしみてわかっているから、彼ら(社員)もようやってくれてるなあと思うんですよね。心の底でやっぱり彼らに食わしてもうてんな~って。 彼らがお客さんを連れてきてくれるんです。お客さんが言いますよ、あんたとこはみんなええ兄ちゃんやから付きおうてんねんで、って。
完山そういう社員への思いが加賀澤社長ならではの会社の雰囲気を作る…
加賀澤いやいや、そんなたいそうなもんやないです。
でも…今でもトラック乗ってね、配達してたら幸せですもん。この前も、熊本まで2トン行ったんですけどね。
「社長あきませんわ~それは」って言われますけど、僕としてはたまに行かしてくれって言うんです。
現場はやっぱり好きなんでね。ええんか悪いんかわかんないですけどね。同業の先輩方には「何してんねん」って言われます(笑)。
でもね、
たまに乗らんと忘れてしまいそうで。
完山いやあ、今日は、楽しくて、感動的で、ためになるお話、いろいろとありがとうございました。